13.高速液体クロマトグラフィーによる飲料缶詰中の有機酸の分析

飲料缶詰中の有機酸を高速液体クロマトグラフィーで測定する方法について検討した.

その結果,遊離酸のみ測定する場合,2.6ジクロロインドフェノールナトリウムでアスコルビン酸を酸化させ,また弱塩基性陰イオン交換樹脂アンバーライトIR-45(OH型)で処理することにより,アスコルビン酸及び糖類の妨害が除去出来,再現精度,回収率試験とも満足すべき結果が得られた.この方法で飲料缶詰中の遊離有機酸を測定した結果,オレンジドリンク及びオレンジジュース缶詰の有磯酸は,大部分がクエン酸で少量のリンゴ酸とピログルタミン酸が,リンゴジュース缶詰では,大部分がリンゴ酸で,少量のクエン酸が,ブドウジュース缶詰では,リンゴ酸,酒石酸及びピログルタミン酸と少量のクエン酸が,野菜及びトマトジュース缶詰では,クエン酸が主要酸で,その他リンゴ酸及びピログルタミン酸が認められた。

著者
森 大蔵、岩本 喜伴
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,15,85-91(1983)

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