14.原子吸光法における鉛分析時の妨害について

食品中の微量鉛分析法として従来,ポーラログラフ法が汎用されてきたが,鉛量が0.1ppm以下の領域では測定値が変動し,信頼性に乏しい.そこで微量重金属の分析に高精度の結果が期待できるフレームレス原子吸光法について妨害イオンの調査など,鉛分析への適応性に関し基礎実験を行なった.すなわち,微量の鉛を含む1規定 塩酸溶液に食品中に比較的多量に存在するカリウム,カルシウム,マグネシウムなどを添加した試験溶液について 1)直接注入法 2)ヨウ化物-メチルイゾブチルケトン抽出法 3)ジチゾン-クロロホルム-塩酸抽出法により測定した結果,鉛を錯化合物にして有機溶媒中に分離後,再び水系の溶液にもどす 3)法により,鉛を精度よく測定できることが判明した.

著者
堀尾 嘉友、木村 圭一
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,15,92-99(1983)

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