24.プロバイオティクス栄養疫学研究の構築をめざした「日本人が習慣的に摂取している発酵食品に含まれるプロバイオティクスの種類・菌数に関するデータベース」の開発

2021年度研究助成 (2022年度研究実施)

近年、発酵食品に含まれるプロバイオティクス(生きた有用微生物)の摂取が健康を増進する可能性があると注目されている。しかし、日本人が摂取している発酵食品にどのような種類の微生物がどのくらいの数量含まれているのか等、発酵食品の健康影響を微生物の観点から研究するために利用可能な発酵食品の微生物データベース(食品成分表)は存在しない。加えて、発酵食品由来の微生物の摂取が健康にどのような影響を与えるのかは、現状不明なままである。そこで本研究では、文献レビューを実施し、各食品に含まれる生きた微生物の種類および数量についての既存のデータを収集して栄養疫学研究に利用可能なデータベースを開発した。文献検索で抽出された約10万件の論文から、目的のデータが掲載されている223の研究論文を選択し、25食品群(42食品)の情報を得た。開発したデータベースを用いて、日本人成人の食事データから発酵食品由来の乳酸菌、納豆菌の摂取量を推定したところ、平均的に1人1日あたり1010 CFU以上をそれぞれ摂取している可能性が見出された。本研究は、日本人における発酵食品由来の微生物の摂取量を推定した初めての研究である。今後の研究において、微生物の観点をふまえた発酵食品の健康影響を検討することが可能となった。

所属
東京大学大学院 医学系研究科 社会医学専攻
著者
藤橋 ひとみ
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 35, 147-149 (2025)

刊行一覧