26.認知症予防に効果を有する低利用海藻のメタボローム解析

2021年度研究助成 (2022年度研究実施)

加齢に伴い発症する疾患に対する対策・研究開発は重要な課題である。代表的な予防・治療疾患対象として認知症が挙げられる。アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβペプチド(Aβ)が異常蓄積(アミロイド線維形成)する。アミロイド線維形成は、神経変性疾患を含むさまざまな疾患に関与している。また、Aβの線維形成は若年期、中年期から既に生じていることから、細胞機能の低下の影響も大きいと考えられ、早い段階から線維形成を誘導させないことが発症予防につながると考えられる。近年、脳腸相関が認知症等にも注目されている。認知症等は脳内で起こる現象だと考えられていたが、腸の迷走神経等にも原因タンパク質が存在することから、腸で異常が生じ、何らかの要因で脳内に移行する仮説が提唱されており、腸を標的としたアプローチが注目されている。認知症の発症予防には広範囲の視点が必要である。肥満等から派生する生活習慣病等は認知症の発症リスクが高まるとされていることから、投薬ではなく「医食同源」の考え方が必要である。海藻は、日本に豊富に存在して一部は食用として流通しているが、多くは未利用・低利用海藻の雑海藻である。本研究は、さまざまな生理活性が報告されている海藻成分に再注目し、食料と競合しない未利用、低利用海藻成分に疾患発症予防に寄与する成分の探索・機能解析を目的とし、海藻A、Bについて検証した。熱水抽出、有機溶媒抽出を組み合わせながら、複数の化合物の推定に至った。

所属
鳥取大学 工学部 化学バイオ系学科
著者
八木 寿梓
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 35, 157-162 (2025)