7.かき水煮缶詰の製造法の改良並びに貯蔵中における品質の変化

かき水煮缶詰の製造法を改良し,生かきに匹敵するくらい美味なかき缶詰の製造法を確立するために煮汁の添加,予備加熱方法及び時間,添加する食塩量,殺菌方法,化学調味料の添加とかき缶詰の味,テクスチャーとの関係を調べ,かき水煮缶詰の製造法を次のように改良した.生かきを水洗し,沸騰水中に30秒間浸漬したのち流水中で急速に冷却する.Lサイズのみを果実7号缶に240g詰め,食塩を1.2g添加する(なお漁獲時期によってはグルタミン酸ナトリウム0.2〜0.5g,コハク酸ナトリウム0.1〜0.3gの範囲で添加する).次いで密封したのち116℃,10回転/分,22分間(F0 4.5)殺菌し,急冷する.このような方法で製造したかき缶詰は1年間貯蔵しても品質の変化はほとんどなかった.

著者
長田 博光、竹内 伊公子、森岡 美智子、朽木 由香子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,15,42-49(1983)

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