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06.黒麹菌を用いた甘柿成熟果および渋柿成熟果の発酵とその機能性

我々はこれまで黒麹菌を用いた発酵が富有柿幼果の機能性を増強することを明らかにした.そこで,富有柿成熟果および4種の渋柿成熟果(西条,愛宕,市田,平核無)を対象とし、黒麹菌を用いた固体発酵を行い,各種機能性について調べた.富有柿成熟果は富有柿幼果とは異なり弱いβ-リパーゼ阻害活性の増加のみを示した.西条柿は発酵にともない,β-リパーゼ阻害活性,アンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害活性,DPPHラジカル消去活性および総ポリフェノール量が増加した.市田柿と平核無ではβ-リパーゼ阻害活性とACE阻害活性のみ増加した.愛宕柿ではACE変換酵素阻害活性以外は減少した.LC/MS分析により渋柿の成分は品種ごとに異なっており,その成分の違いが発酵後の機能性の増減に影響したことが示唆された.これらの結果は黒麹菌を用いた富有柿幼果の発酵法が渋柿に対しても応用できることを示した.

著者
折居 千賀
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 32, 33-37 (2018)

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