海産物アクアポニックスの構築に関する研究

気候変動、人口増加・高齢化などにより、食料・特にタンパク質の需給逼迫が予測されている。この課題解決策の一つとして海藻の陸上栽培と魚介類の陸上養殖を組み合わせた、「海産物アクアポニックスシステム」があり、本研究ではシステムの最適条件を見出す理論の構築と、システムに適した海藻の選定およびその栽培技術の確立を進めている。簡易モデルを構築し、飼育の環境整備と基礎データ取得を行った。ワカメを用いて受精、胞子体形成(育苗)を再現し、現在栽培試験を継続している。クルマエビの予備飼育を行ったが、評価モデルとしては利用が難しいことが分かった。一方、動物から排出されるアンモニアを硝酸に変換するアンモニア酸化古細菌等微生物群は本試験から得ることができた。これら微生物群は硝化作用に加え脱窒作用も示したが、海藻に適した18°C前後では脱窒が抑制され、海藻栽培には好適と考えられた。

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