食品の品質評価や新規開発には味の評価が必須であるが、これまでの食品の味覚評価は、官能検査や調理する人の感覚に任せる主観的なものであり、数値化が困難であった。そこで、本研究では客観的に判断できる味の評価手法の確立を目指して、味蕾オルガノイドを用いた味の評価手法の構築を検討している。2024年度は、マウス 味蕾オルガノイドを培養して増殖した。また、ヒトiPS細胞から (1) 味細胞を含む小腸オルガノイドを作製、(2) 世界で初めて味細胞マーカー陽性細胞を作製、(3) 血管内皮細胞を作製し、マウス 味蕾オルガノイドやヒト間葉系幹細胞と共培養してスフェロイド内に血管網様の構造を作製した。今後はマウス味細胞を使って味覚レポーター遺伝子の選定を行う。また、iPS細胞由来味細胞の機能解析を行う。