含気カップ詰食品を変形させずに加熱殺菌する等圧制御方法は様々あるが、殺菌中の温度から等圧圧力に変換した値で圧力調整する方法は、装置に手動圧力制御機能のみが必要であり簡便である。先行研究(田口法)は飲料用の特殊なカップ容器での実験結果であった。高さの低い容器形状や熱水シャワーなど異なる加熱殺菌方式への適用について、加熱過程と冷却過程における温度測定点が異なることと冷却過程でオフセット値を用いる理由について説明不足があった。そこで既報と異なる容器と殺菌条件で追試を行った。
異なる3種類の厚さの円筒形カップに6%の糊化でんぷん液を10mm高さの含気部を設定して充填し、フィルム蓋で密封、近接センサーを用いて蓋位置を一定範囲に収める様に自動等圧制御をしながら120℃-30分間の加熱殺菌をした。容器の中心軸高さ方向で6点測定した温度と得られた圧力曲線を先行技術と比較した。加熱過程では含気部、冷却過程では雰囲気の温度から計算される田口法の圧力値は実測値と良好に一致し、高さの低い容器形状と熱水シャワー式の加熱殺菌方式への適用性が示唆された。また、冷却過程において含気部の伝熱性が良好であることが雰囲気温度から圧力値を計算できる理由であると推測された。先行研究の説明不足を検証し、解決した。
- 著者
- 稲葉 正一, 羽倉 義雄(広島大学大学院)
- 出典
- 東洋食品研究所 研究報告書, 35, 59-63 (2025)