14.プロテアーゼ処理と急速冷凍処理の併用によって豚ロース肉の結合組織と脂肪を除去する方法

畜肉の加工工程において結合組織や脂肪の多くが除去される。これまでに我々は、牛脂身(結合組織と脂肪で構成)にあらかじめプロテアーゼ処理(PrT)と急速冷凍処理(QFT)の両方を施すと、加熱調理時に両組織が流出し除去されることを見出した。このことから両組織の除去工程を省略できる可能性が示唆されたが、一般的な畜肉に本法が応用できるかは未検証である。本報告書では、PrT/QFTの併用を施し焼成した豚ロース肉において、肉汁流出量、栄養成分、食味をそれぞれ非処理区と比較した。結果、PrT/QFTにより結合組織・脂肪の流出が促進され、低脂肪化と高タンパク質化を図れることが示された。また、官能評価の結果、PrT/QFT区では「脂っこさ」が有意に低下したが、好ましさの低下は認められなかった。以上のことから、一般的な畜肉でも、PrT/QFTによる栄養面・官能面での高付加価値化が期待できると考えられた。

著者
西村 耕作, 阿部 竜也
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 35, 85-90 (2025)

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