本研究は容器詰食品における注液中の共存成分、殺菌時間、固液比が、固形食品に対する調味成分の浸透量に与える影響を解明する目的で実施した。固形食品としてコンニャクまたはサバを、注液として塩化ナトリウム水溶液または塩化ナトリウムを含むモデル溶液を用いてパウチ詰レトルト食品を製造した。固形食品の塩化ナトリウム含量と注液の塩化ナトリウム濃度の比の値として計算した分配係数は、注液に塩化ナトリウム水溶液を用いたとき、コンニャクの場合で0.76×10-3 m3/kg、サバの場合で0.40×10-3 m3/kgだった。これらの値は注液にモデル溶液を用いたときでもほぼ同じだった。殺菌時間や固液比の変更は分配係数に大きな影響を与えなかった。また、市販の水産缶詰の分析結果は、サバを用いて製造したパウチ詰レトルト食品と類似していた。容器詰食品における調味成分の浸透量は注液組成、殺菌時間や固液比などの製造パラメータよりも、むしろ固形食品の特性に影響を受ける可能性が示唆された。
Distribution Coefficients of Sodium Chloride on Konjac and Mackerel in Prepackaged Food
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jsfe/
doi: 10.11301/jsfe.23645
- 著者
- 謝 裕基
- 出典
- 東洋食品研究所 研究報告書, 35, 75-84 (2025)