18.定量リアルタイムPCR法のための変敗原因菌 Bacillus subtilis 芽胞細胞検出のための芽胞DNAの局在性とその抽出方法

物理的ビーズ破砕法は、定量リアルタイムPCRを用いた芽胞細胞の定量において効率的にDNAを抽出することができる方法である。本研究では、芽胞細胞DNAの局在性並びにDNA抽出効率を評価するために、化学的脱コート処理並びにアルカリ溶解処理、ビーズ破砕処理により、芽胞細胞DNAを全DNA、内在性DNA、外在性DNAに分画した。さらにアルカリ溶解処理芽胞細胞を集中的に遠心分離による3回洗浄、5回洗浄を行い、遠心分離による繰り返し洗浄工程によりDNA量が影響を受けるか否かについて調査した。同工程は、ビーズ破砕前にあらかじめ分画したペレット並びに上清をpropidium monoazide (PMA)処理を行うことで実施した。3分画から抽出したDNAを定量リアルタイムPCR法により評価した。その結果、外来性DNAは、内在性DNAよりも多く検出され、全DNAに近い値であった。これらの結果から以下の2点が示唆された。1)アルカリ溶解処理とビーズ破砕法の組み合わせによるDNA抽出法においては、外来性DNAは内在性DNAより多く検出され、全DNA量の多くを占めている。2)アルカリ溶解処理は、複数回の遠心分離処理による洗浄工程により外来性DNAを部分的に除去したものの、それは遠心分離処理の回数に大きく依存することはなかった。

Spore-DNA Localization and Extraction Efficiencies of Bacillus subtilis for Accurate Results in Quantitative Real-time Polymerase Chain Reaction
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jmc/
doi: 10.4265/jmc.29.1_9

著者
中野 みよ
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 35, 113-119 (2025)

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