第5回 研究成果発表会について (終了しました)

お陰様で多数の方に聴講いただきました。ありがとうございます。

(公財)東洋食品研究所は公益財団法人として、独自の研究に加え、先駆的、独創的な研究を行う若手研究者を助成しています。本年も研究助成採択者の研究成果および当研究所の研究成果を皆様に聞いていただく機会として「研究成果発表会」を開催することと致しました。
前回に引き続き集会形式を復活し、リアルタイム配信を併用したハイブリッド形式により実施いたします。なお、今後の状況によっては、集会を取りやめてウェビナーのみにせざるを得なくなることもあり得ます。悪しからずご了承ください。

集会により、講演者と聴講される方が直接に対話を深めることもできますし、ウェビナーの併用により、遠隔地の方も近郊の方も、より簡単にご参加いただけますので、多数の方のご応募を心よりお待ち申し上げております。

ご参加いただくためには、事前のお申し込みが必要です。
下記のボタンよりお申し込みください (8月30日(水)より利用可能)。

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開催日
 2023年10月13日(金) 10:00-16:30

方 式
 下記会場における集会およびオンラインシステムによるリアルタイム映像配信の併用

会 場
 千里ライフサイエンスセンタービル5階 山村雄一記念ライフホール

申込期限
 対面集会:2023年10月5日(木)まで ・ ウェビナー:2022年10月11日(水)まで

参加料
 研究成果発表会への参加、ウェビナーの視聴は無料です。ただし、必要な機材・通信費等はご負担ください。また、現地では発表会終了後、簡単な懇親会を開催いたします (無料)。

研究発表内容

1. 食品由来アルツハイマー病予防成分に関する研究 10:10~10:35
イワシ稚魚(シラス)プロテアーゼ分解物にβ-セクレターゼ阻害活性を見出している。粗精製物をアルツハイマー病モデルマウスに腹腔内投与した結果、アミロイドβの蓄積抑制、さらに神経炎症マーカータンパク質の発現が抑制され、アルツハイマー病予防に効果を発揮する可能性が示唆された。

2. 畜肉のスジ・脂肪除去を促進する前処理方法の開発 10:35~11:00
畜肉の結合組織(スジ)や脂肪は加工工程で除去されることが多いが、多量の肉を一括で処理する方法はほとんどない。我々は、畜肉にあらかじめプロテアーゼ処理と急速冷凍処理を併用して施すことで、加熱調理時にスジと脂肪が著しく崩壊し流出することを見出した。この前処理法は、スジ・脂肪の一括除去に有用と考えられた。

3. 発酵食品に含まれる生きた微生物の数量に関するデータベースの開発 11:00~11:25
近年、発酵食品中の生きた有用微生物の健康影響が注目されているが、発酵食品の健康影響を微生物の観点から研究するために利用可能な発酵食品の微生物データベースは存在しない。そこで、本研究は日本での栄養疫学研究に利用可能な生きた微生物の数量データベースの開発を目指した。

4. 油脂の摂取タイミングが体内時計の乱れと肥満に及ぼす影響とその作用機構解明 11:25~11:50
摂取する油脂の種類によって、ヒトへの作用が違うことが知られており、それが体内時計に制御される可能性が示唆されている。本研究では、体内時計の制御をうける脂質代謝関連因子が肥満の誘導に関わることを見出し、アマニ油摂取では、これらの機構を介して、肥満の予防に寄与していることを明らかにした。

5. 兵庫県産朝倉山椒の香気成分の経時変化と抗肥満作用に関する機能性検証研究 11:50~12:15
山椒は和食文化において重要な香辛料である。本研究では兵庫県産の朝倉山椒に着目し、その香気成分を分析した。また山椒の付加価値あるいは未利用部位の有効活用を検討するため、食用部位である実、蕾、花および製造過程で廃棄される軸の抗肥満に関する機能性について検証実験を行った。

6. 磁気ビーズとマイクロ流路デバイスを用いた食中毒原因菌のオンサイトモニタリングシステムの開発 13:15~13:40
磁気ビーズとマイクロ流路デバイスを用いた食中毒原因菌のオンサイトモニタリングシステムの開発独自に開発したマイクロ流路デバイスを用いて、簡便・高精度に食中毒原因菌の検出を可能とする迅速モニタリング法の構築を行った。免疫磁気分離法とマイクロ流路デバイスを併用することで、レタス中の腸管出血性大腸菌O157:H7とサルモネラ属菌 (S. Typhimurium)を一度に高精度で定量可能であることが示された。

7. 認知症予防に効果を有する低利用海藻のメタボローム解析 13:40~14:05
低利用・未利用海藻の利活用を目指して、健康効果を有する成分探索を行っている。低利用海藻の熱水抽出物を用いると認知症発症原因の一つであるタンパク質の異常凝集形成を阻害することがわかり、その抽出物をLC-MSで解析して既報と比較したところ、現実点で複数の候補成分の存在が示唆された。さらに詳細に調べる必要はあるが簡便な抽出方法で得られた海藻成分でも健康に寄与することが期待できた。

8. 植物オイルボディの物理的安定性を決定づける構造的・分子的要因の解明 14:15~14:40
植物種子中の脂質は、リン脂質や膜タンパク質に覆われ、オイルボディと呼ばれる油滴状の構造体を形成している。本研究では、加熱などの処理に対するオイルボディの物理的安定性に関わる要因を解明すべく、検討を行った。

9. 遠縁交雑を介した雑種化のメカニズム解明と次世代果樹品種の作出 14:40~15:05
遠縁交雑は,種や属の壁を越えた交雑を可能にすることで多様性を飛躍的に増加させる技術である.本研究では,バラ科の主要果樹であるニホンナシとセイヨウナシの種間雑種を用いて,雑種個体の果実における遺伝子発現や香気成分を中心とした表現型の多様性を調査することで,雑種化のメカニズム解明を目的とした研究を実施した。

10. タンパク質ゲルの食感を改変する食品接着剤の開発 15:25~15:50
本研究では、オリーブ葉ポリフェノールOleaceinがタンパク質ゲルの機械強度を向上することを明らかにした。その効果は既存の食品グレードの架橋剤ゲニピンよりも強かった。Oleaceinのタンパク質を架橋する働きによって、緻密な網目構造が形成されることで、ゲルの機械強度が向上することが明らかとなった。

11. 加熱による野菜のテクスチャー変化に及ぼす金属イオンの影響 15:50~16:15
ダイコンをキレート水溶液または塩溶液に浸漬し、結合型金属イオンの残存割合、硬さ、分子量分布の測定および組織観察を行なった。その結果、ダイコンの加熱による硬さの変化における金属イオンの役割はカルシウムイオンとマグネシウムイオンにおいても、内在性または外因性においても異なることが示唆された。

お問い合わせ (フォーム)
 公益財団法人 東洋食品研究所 事業推進部
 TEL.072-740-3500 (9:00~17:00 土・日・祝 休業)

注意事項
 本会は、会場での集会と同時にオンラインシステムを利用して配信します。ご視聴いただく方法は、別途メールにてご案内致します。講演の後、アンケートを実施いたしますので、ご感想・ご意見・ご質問等をお寄せください。次回以降に活かしてまいりたいと思います。
 なお、本ウェビナーの録画・録音、動画URLの無断共有、チャットの不適切な使用、参加者の情報公開等は固く禁止させていただきます。ご協力のほどを、お願いいたします。